「太陽は沈まない」

夕方更新したばっかりなのにまた更新するってことは、小論文の添削にちょっと行き詰まったってことです。って、まだ1枚も添削してないじゃん、なにやってんの。

 

はい、ドラマ見てました。ってことで、『太陽は沈まない』っていうドラマの話。

 

なぜか木曜たまたま家にいて、なぜかテレビがついていて、めったにドラマ見ないのにたまたま初回だったから見てみた。滝沢と優香だというから、まあありがち青春ものだろうと思っていた。確かに、第1話冒頭、滝沢が家を出て通学するシーンは、親に反抗したくなるあの年頃の少年の振る舞いをきめ細やかに描いてはいたけれども、このペースで進むんじゃあ、滝沢鑑賞ドラマだなあ、とか思っていた。ちょっと不審だったのは、なぜ青春ドラマが大人枠の木曜10時なのだろう、ということだった。

 

けれども、その小さな不審は予感として当たっていた。ドラマは僕の想像を見事に裏切って、母親の死をめぐる医療ミスを主題に、弁護士や病院関係者の娘などを絡めながら展開していった。

 

僕が特に面白く感じたのは、単に大病院における事故隠蔽という「制度批判」だけに焦点を当てているのではなく、むしろ、そういった「制度」が善意の「庶民」によって支えられているという点を丁寧に描き出していることだ。

 

例えば、主人公滝沢の一家は、いかにも人情味溢れる下町の商店街の一角にあるお好み焼き屋に設定されている。彼のみならず彼の一家は、商店街という地域共同体によって支えられているのだが、それが逆に弁護士とともに医療ミスの真相を探ろうとする高校生滝沢の行動に対する大きな壁にもなる。

 

医療ミスを起こしたとされる京本政樹が、滝沢の家の前で近所の人に聞こえるようにはったりの謝罪をかます。京本に同情した商店街の人々の台詞はこうだ。

 

「このくらいで勘弁してあげたら?」
「(病院の)先生もあれだけ謝ってるんだから。」
「お母さん亡くなって悲しいのはわかるけど、意固地になるのはよくないよ。」
(イメージ再現で、正確ではありません)

 

家族ですら、「医療ミスによる死」なのかどうか、様々の犠牲を払って追及するよりは、平穏な以前の暮らしに戻ることを望む。

 

共同体の、個人として行動しようとする者に向ける暴力的なまでの圧力がよく描かれていると思った。

 

まだ病院組織の点にはドラマは展開していないが、外科副部長の娘であり、滝沢に惚れている優香や、下っ端の宿直看護婦がどう絡んでいくのか、今後も楽しみだ。


あと、キャストの点では、滝沢も優香も、特に優香、思った以上にいい感じだ。僕の想像してたよりもずっと演技できている。ただ、京本政樹は、ドラマの第3話という時点での限定つきだが、あまりにステレオタイプな使い方ではないか。実は彼が化ける、というのなら恐れ入るほかないが。

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あ、そうそう、『日本国語大辞典』第二版、出るらしい。今日図書室でパンフを見た。今年の11月から刊行開始だそうだ。

 

あと25枚、がんばろー。でも眠いなあ。