ジオシティーズのサービス終了に寄せて
2019年3月31日をもってジオシティーズのwebサービスが終了になった。
今僕が使っている「うさたろう」という名義は、1999年11月からジオシティーズのサイトでハンドルネームとして使い始めたものだった。当時はFacebookもツイッターも、ブログも、そしてはてなもなく、テキストを書いてはHTMLファイルをIBMのホームページビルダーでアップし更新するという、今にして思えばとんでもなく手間の掛かることをやっていたんだった。
当時よく閲覧していたサイトの一つに「日記猿人」という、今風にいえばブログの更新一覧サイトがあった。ひと言コメントを付けて更新を告知するというもので、新着機能やランキング機能を備えており、閲覧のみの参加者をも含めたある種のネット上のコミュニティを形成していた。そこに自分も日記執筆者として参加したいというのが、そもそもこの名義を設定してサイトを開設した一番の理由だった。
ちなみに、そのころから記事を更新していた中世史研究者といえば、@toshiitohさんくらいしかいなかったような気がする。個人でサイトを開設していた人、機関サイト内に自分のページを持っていた人はもう少しいたけれど、記事を更新するというようなことをやる人はあまりいなかったような。今のようなSNS全盛の時代が来るとは、当時はほとんど誰も考えていなかった。コミュニティが狭い分、単なる「リアル」の引き写しとはまた違う、別の世界がネット上には展開していた。
さて僕の「日記」、その後数年はそれなりに更新していたのだが、次第に更新頻度は薄れ、また「うさたろう」としての活動もはてなブックマークやツイッターに移行していったので、ブログ化したもののほとんど更新することなく数年が過ぎていった。
今年(2019年)に入ってから、ジオシティーズが閉じるというニュースを知り、実は2月から3月にかけ、このブログに少しずつ記事を移管していった。今でもその作業中である。とはいえ、今読み返してみると若気の至りというほかない記事も多くて、汗顔の至りである。自分自身にとっては大切な文章なんだけれど、「うさたろう」としての情報コントロールを逸脱している内容の記事も多く、もうひとさまの目につくところに置いておくわけにもいかないということで、そうした文章は取捨選択していった。とりあえずこれからも少しずつローカルで保存している文章をアップできればと思う。
しかし驚くのはその時の流れの速さだ。あれからもう、20年になろうとしているのだからなあ。