書類の整理と所有への執着

今日、本棚の位置をちょっと変えてみた。本棚の移動そのものはすぐにできる。けれども本やコピーは並べ方一つにしても考えてしまい、なかなか整理することができない。

前にも書いていたとおり、僕は最近まで図書館のバイトをやっていたが、図書館の本というのは請求記号通りに並べればいいのであって、そこには全く意味を付与する余地はない。記号がついていて機械的に配列が可能だ、というのはもちろんだけれども、自分のものではないと思うと、なんとなくサクサクと整理できる。

事務所なんかの書類整理でも、そんなに迷うことなく整理することができる。

でも自分の本やコピーとなると、途端にいろいろ考えてしまってだめなのである。そこには、自分で所有しているものか否か、という違いが結構関係しているような気がする。自宅外での書類整理でも、「自分のもの」という意識が強くなってしまうともうだめだ。10分や20分で済みそうな書類整理に2時間も3時間も平気で掛かってしまう。


もともと僕は所有しているものに対して、かなりの執着がある。小学生の頃など、自分のものと人のものとは不必要なほど厳密に区別してきたし、自分の持ち物に落書きされることには異様に腹が立った。クラスにはそういうことに無頓着の人もいて、平気で人のものに落書きしたりシールを貼ったりする人がいた。落書きするのはともかく、シールを貼ったりするのはたぶん好意から来ているのだけれど、そのことに対して僕が烈火の如く怒ることを理解できなかったようだった。

自分のものをうまく整理できないのは、なんとなくそのことと関係しているような気がするんだけれど、自分の中でもうまく説明できない。なんとなくそういう気がするだけ。

ただ一つ言えるのは、書類の整理をするにはたぶん、所有欲を捨てなければ無理だろう、ということ。所有している限り、紙は減らないから(笑)。