サンライズ出雲に乗る(前編)
最後のブルートレインが東京駅に到着したその翌日、僕はサンライズ出雲に乗り山陰地方に向かった。今日はその乗車記を。
実はこの日、クレジットカードなどの入ったカードケースを無くしてしまって、旅立つ前から暗雲が立ちこめていた。が、親切な店員さんが届けてくれたので事なきを得、無事に西へ向かうことができた。
研究会のあとの飲み会を一次会で失礼し、21時半前には東京駅に到着する。夜のビールとつまみ、その他を買い込み、いざ10番ホームへ。
富士・はやぶさが廃止された東京駅10番ホーム。その向かいの9番ホームから、サンライズ出雲・瀬戸は出発する。東京駅から東海道本線を走破し西へ向かう寝台列車は、もうこの列車だけになってしまった。21時48分、14両編成の電車寝台列車が入線する。
夏に乗ったはやぶさとは、やや客層が違う感じがする。むしろ北斗星なんかの客層と同じようだ。
室内はコンパクトではあるが案外スペースがある。一人で過ごすにはさほど気にならないほどの広さだ。これは奥の方。
ドアは奥までガッチャンと回すと閉まる。ドア脇にはコンセントが設置されているので、携帯の充電などにも困らない。
シングルだとNHKFMが受信可能。ライトのスイッチなどもこのコントロールパネルで操作する。
そうこうしているうちに22時をまわった。丸の内のビル群を背に、列車は9番ホームからすべり出す。客車寝台ではよくあった出発時の衝撃も感じない。
個室を出て、車内を少しだけぶらついてみた。車端にある洗面所。通路を挟んでもう一つ同じものが設置されている。
これはノビノビ座席。船の二等船室のようなものだが、カーテンの区切りがある分、船より少しだけいいかもしれない。なお写真は発車前の撮影なので、東京駅の新幹線ホームが映り込んでいる。。
ミニロビー。ただこのロビーは、かつてのロビーカーのようなものではなく、客車開放B寝台の通路にあった座席をちょっと進化させたスペースだと考えた方がよいかもしれない。またミニロビー脇にはシャワー室がある。今回は研究会前にお風呂に入ったし、その後も特に汗をかいていないので、シャワーは使わなかった。
横浜駅に停車中である。
夜の時間には車内販売はない。そのかわりに飲み物の自動販売機が設置されている。
基本的にこの列車は個室寝台なので、ミニロビーくらいしかぶらつくところはない。自室に戻り、鯵のお寿司をつまみに一杯。
いい気分になってきた頃、車窓にはいつの間にか相模湾が広がっていた。月影が海面に映る。ピンぼけ失礼。
つづく。