なんなんだあれは!

この間書くっていってて書かなかった、後になって怒り心頭モードの事件。

映画館は、こないだも書いたとおり歌舞伎町。とりあえずチケット買って、でも開場まで20分くらいあったので、なんか珈琲のみたいなと思って外に出た。でも、ファーストフード系しか見当たらなくって、なんかいいとこないかなときょろきょろしてた。

そしたら、声掛けてくるヤツがいる。なんだと思ったら、警官だった。

なんでただ歩いてるだけの人間が職質かけられなくちゃいかんの?、と思いつつも、徹夜明けのやや朦朧気味の頭だったので、まあいいやと思ってとりあえず「はあ」みたいな形で受け応えた。

で、そのうち「カバンの中何入ってるの?」とか聞いてくる。本とかですよ…と答えてたけど、カバンの中を上からのぞくくらいならともかく、「これなに」とか言って、勝手にカバンの中を漁りだした。さらに、勝手に財布を取り出して、自分でも使ってないようなところまで見始める。これにはさすがに僕も不愉快になった。僕の了解もなく勝手にカバンの中に手を入れ、所持品を調べるなど論外であり、許しがたい暴挙だ。

レジュメを作る時に切り貼りするのに使う鋏なんかが入ってなかったので(入っていたとしても僕の身分からすればまったくおかしくはないのだが)、不審物などあるはずもなく、この時は5分くらいで終わった。まあ、映画の時間もあるし、こんなところで時間食われてはかなわんという気持ちがあったことは確か。でも、その時からすでに怒りの炎に火がつき始めた。なんなんだ、あの横柄な警官は!

あとでネットで調べてみたけど、任意の職務質問では、本人の許可無くカバンの中に勝手に手を突っ込むことなどは、やはり違法である疑いが高い。

いままで夜に自転車乗ってて職質受けるなんてことはよくあったけど、真っ昼間にただ歩いているだけで職質受けるなんてこと、一度もなかった。しかもあの横柄さ。まあ職質そのものを全部拒否はしないまでも、今後違法行為をしそうになろうものなら、職質など断固として拒否する。職務質問の是非はともかく、どこまで許されるのかという点において、市民の所持品を許可無く勝手に手にとって調べるということは、明らかに権力の乱用であり、糾弾すべき事態だ。残念なことに、この時は警察手帳の提示も認識番号を控えておくこともしなかった。次からは、こういうことがあったら、公務執行妨害の言いがかりを付けられない程度に、断固抗議の意志を示そう。

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どうやら最近は、歌舞伎町や秋葉原みたいな繁華街で重点的に職質が行われ、要するに持ち物検査が行われているようだ。元国家公安委員会委員長、すなわち全警察の形式上のトップであった元代議士の白川氏も、渋谷で職質を受けている。僕が職質を受けた歌舞伎町でも、安全という大義名分のもと、監視カメラの設置などが行われている。けれども、なにが安全なのかを決めるのは、僕たち市民ではなく警察であり、警察の恣意的な判断によって「不審な」人物を排除しようとの動きがますます盛んになってきているようだ。

こういう風潮に対して、「やましいことがなければ協力すべきだろ」などという人がいる。けれどもその考えが、市民の自由を自ら死に至らしめる考えだということに、そういうことを言う人は気付いていないか、プライオリティをおいていないのだろう。最近では、「安全」の名の下に自由への制約を正当化する傾向が強くなってきているようで、先述の監視カメラの設置などもその一環だ。

しかしそういった監視カメラの映像記録を誰が管理するのかということについては、実は社会における合意はなされていない。とすると、市民のコントロールの効かないところで、個人情報が勝手に蓄積・データベース化される危険がある。これは、実は相当恐ろしいことではないか。携帯電話の通話記録だって、データベース化すれば、個々人がどこでなにをしていたのか、ある程度わかるようになってきている。そしてこれは盗聴ではないから、調べるのに令状すら必要ないようだ。

なんか気づかないうちに、日本も相当な管理社会になってきているようだ。いい加減、この辺で考え直すべきなのではないのか。