砂の器

昨日は某予備校の仕事始め、かと思ったら、答案はあとで送付されるということで、ちょっと調子外れ。せっかく机の上を綺麗にしたのに、答案が送られてくる頃にはまた散らかってそう。

今日は図書室バイト。8時出勤は辛いなあ。したがって仕事後更新です。

------------------------------

砂の器野村芳太郎 1974

 

松本清張の小説の映画化。らい病(ハンセン氏病)への偏見が消えたのは、本当に最近のことなのだなあと改めて実感。実際、僕自身に中世被差別民の知識がなかったら、なぜらい病の父を持つという経歴をそこまでして隠さなければいけないのか、理解できなかっただろう。

病の父とその息子が村の子供から追い出され、橋の向こう(境界!)へ逃げる場面や、お宮の床下に宿をとる場面、民家に施しを受けようとする場面など、映画が作られた約30年前ならかろうじて実感を伴っていたのだろうなあ、と考えると、数百年の間続いてきた我々の生活様式を高度経済成長が良くも悪くも破壊してしまったことを感じる。

(見てない人にはわからないけど)あの村の巡査は、療養施設、鉄道とセットになっていたことを踏まえると、近代の象徴として描かれていたような気がする。

原作は読んでないのだが、原作では病気のことはちっとも触れてないらしい。ちょっと読んでみたくなった。