ゼミの報告会 1日目

今日はゼミの報告会。うちのゼミでは、先生は二人いる。形式上は二つのゼミがあるのだが、両方の構成員はほぼ同じで、事実上中世史ゼミということになっている。そこで春と夏に修論や博論の構想報告をやることになっている。

今日はその第一日目。博論構想報告一本と修論構想報告二本。博論構想報告をやった彼はもうすでに何本か論文を書いているので、内容的にも結構まとまっていた。今年修論を書く二人のうち一人も、まあ大丈夫かな、と思うのだが、問題はもう一人の彼だ。

報告に、彼の議論の論点がうまく表現できていない。で、それは報告のテクニックの問題というよりは、彼自身が自分の議論の論点を把握していないようなのだ。どういう問題意識で自分の取り扱っているテーマに切り込んでいくのか、という自覚が報告の中に見出せない。だから先行研究の整理もただ論点の羅列になってしまうし、議論のどこにオリジナリティーがあるのかもよくわからない。

彼は普段ちっとも人と話さず、笑わない。彼を笑わしたら焼き肉奢り、という賭けがマジで試されるくらいだ。問題意識がまだ明確でなくても、何をやりたいのかをある程度話しているのならまだマシなのだが、無口で感情がわからないだけに、彼が何を論じたいのかわからないということが問題になる。

彼は数年会社勤めをしていて大学に学士入学したようなのだが、あれでよく社会人が務まったなあ、と僕が言うと、彼は務まらなかったから大学に来たんじゃないか、という返事があった。でも、だからといって大学ならうまくやれるかと言えば、そんなこともないよなあ。