同窓会

昨日書いたように、2日は同窓会だった。高校を卒業して、もうすぐ10年になる。ずいぶん長いような気もするが、同級生に会った途端、あっという間の10年だったような気がした。

 

10年経ってもすぐに判る人がいる一方で、どうしても名前を思い出せない人もいる。僕のことを覚えておいてくれてたのに名前を思い出せなかった女の子には、ずいぶん不評だっただろう(笑)。

 

ただそれとは別に、当時はよく覚えていた「勢力分布図」のような人間関係を、すっかり忘れてしまっていることに気づいた。

 

もちろん、個人の名前すら忘れているのだから他人の友人関係なんて覚えているわけない。だが、当時誰が誰と仲が良くて誰と険悪だ、っていう情報は、自分自身の人間関係を維持していく上でも結構重要だった。ある意味、僕は政治的に振る舞っていたのだ。

 

逆に言えば、高校という枠の中に身を置かなくなった途端、そういった背景の知識は必要なくなる。そして背景の知識を踏まえる必要のある人、つまり、政治的に記憶していた人のことは、「必要のない知識」として忘れてしまうのだろう。

 

当時の人間関係の大半は、案外そういう政治的な積み重ねの上に成り立っていたのかもしれない。最後まで残った6人と、高校時代よく歩いた、深夜の誰もいない地元の商店街を歩きながら考えた。忘れるはずのない人はやっぱり忘れていなかった。人間関係の網の目から外れてもなお、大切に思える人。それが本当の意味での友達なのだろう。

 

懐かしく、でも変わってしまった商店街を、昔と変わらないつもりで歩いている僕たちの姿は、真っ暗なショウウィンドウのガラスにはどう映っていたんだろうか。