ナンバー・ディスプレイ

日記に何を書こうかと思いつつネタが浮かばなかったので、気分転換にテレビをつけてみた。CXでは年に一度の番組、「明石家サンタ」をやっていた。深夜に起きている人なら知っていると思うが、明石家さんま八木亜希子(この人かわいいねえ。一緒に飲みに行くと毒舌トークしてくれそう。あ、話ズレまくり・・・)がサンタの格好をして、葉書やファックスで応募した人の家に電話をかける。電話に出た人は不幸自慢をして、さんまと八木アナのお眼鏡に叶った(>合格)ら商品がもらえる、という番組だ。

途中から最後まで見ていたのだが、最後の5分になって突然、さんまの脇の電話のベルが鳴った。驚くさんまと八木アナ。さんまが受話器を取って話を聞くと、以前に掛けて不合格になった人が、自宅の電話のナンバーディスプレイを見て掛けてきたということだった。

案の定、さんまがそのことを聞いた直後、もう1件電話が掛かってきた。最後の5分だったからよかったようなものの、これが番組の途中だったら下手すると番組そのものが崩壊してしまっていたのではないか。

受け手と送り手との双方向コミュニケーションなんてマスコミ論ではよく言うけれど、編集されていない、ただだらだらとコミュニケーションの場面が流されるだけのTVなんて、おそらく視聴者のほとんどが見向きしなくなるだろう。有名人という身分はその人の側からの情報が圧倒的に多いから成り立つ、つまり情報が一方通行だからこそ成立するのであって、その関係が崩壊したとき、つまり双方向コミュニケーションが十分に実現してしまったとき、有名人は有名人たりえなくなる。

八木アナが「怖い」と言ったのは、直接には"電話番号が知られていること"を指してだろうけれども、彼女は直感的に「有名人」たる基盤が崩壊する「怖さ」に気づいていたのではないか。

ナンバーディスプレイといったメディア(に附随した技術)の発達は、テレビというメディアそのものの特性をも崩壊させる威力を持つのだなということを、実感したクリスマス・イブだった。