1000年前と100年前
1000年前は、藤原道長の時代だ。ちょうど枕草子が成立した頃らしい。
考えてみたら、500年前は室町時代で、応仁・文明の乱後だから戦国時代でもあるが、当時の人たちにとっての500年前が平安時代なのか。関ヶ原の戦いは400年前だが、その頃の人にとっての400年前くらいに、ようやく鎌倉幕府が成立したのか。
こう考えてみると、最近の100~200年というものがずいぶん変化の激しい時代だったように思える。いま、NHKで『映像の世紀』を再放送しているが、この100年間だけでもすさまじい変化だ。特に戦争。
第1次大戦を終えたあとのチャーチルの言葉だったか、この番組で引用されていた。それは、第1次世界大戦をもって戦争から英雄が消えた、という言葉だった。
英雄が消えるということと、人類そのものを滅亡させるに足るだけの戦争が可能になったということは、なんとなくパラレルな関係のような気がする。
追記(20190102)
去年(2018年)は道長が小右記に記された「望月の」歌を詠んでから1000年でした。
今読み返すと、英雄が消えることと総力戦になることとは、当然ながら同じ現象の裏返しで、マシンガンの前には英雄も貴族も一兵卒も同じ生身の人間でしかないわけですからね。