研究

いよいよ前半のヤマ場

だいたい6月後半というのは、期末試験があり某お仕事も佳境に入りといろいろ忙しい季節であるにもかかわらず、今年はさらに月末の学会で報告させてもらえることになり、てんてこ舞いの状態だ。この時期は例年、湿気と蒸し暑さとそれをしのぐためのエアコンの…

因幡国府とその周辺(その2)

因幡国府は大伴家持が万葉集最後の歌を詠んだ地らしく、それにまつわる歌碑があった。 この歌碑群のうち、真ん中の大きな古い歌碑が家持の歌碑らしい。「天平宝字三年春正月一日、因幡国の庁にして、饗を国郡の司等に賜へる宴の歌」として、「新しき 年の始…

因幡国府とその周辺(その1)。

こないだ新シリーズを始めたばかりなんだけれど、前の分が残っているのを忘れてた。ということで、これとあと餘部鉄橋、京都で終了の予定。この行程は、松江から鳥取まで。途中の米子駅では、ねずみ男自販機とねずみ男売店を発見。

歴史系番組と歴史学研究

ところで、1978年に始まった鈴木健二アナの司会として知られる「歴史への招待」は、ここでの座談会なんかを読むと、歴史をテレビ的な情報として伝えたいという狙いがあったようだ。歴史や歴史学が教養・学術として君臨していた時代の残滓が濃厚に残っていた1…

タイムスクープハンター第2部

今日はNHKのタイムスクープハンター2nd stage「室町飢饉(ききん)救援隊」を見た。このシリーズ、以前たまたま夜に見たのだが、これまでの歴史系番組にありがちな英雄史観や歴史小説的な話とは一線を画していて、一般的にはあまり知られていない、当時の社…

また1ヶ月以上空いてしまった…

それなりにパソコンに向かう時間は多いのだが、論文など執筆モード突入中なので、こちらの方はとんとご無沙汰になってしまった。今年に入ってからというもの、あまり遠出はしてないが、一日で、しかも車を使わず公共交通機関だけで熊野三山を巡るという「熊…

違憲判決と最高裁判事の「宗教観」

帰宅して晩ご飯の用意をしながらテレビをつけていたら、神社をめぐる裁判で最高裁が違憲判決を出したというニュースが聞こえてきた。ニュースでは片手間に音声を聞いていただけだったので、ご飯食べ終わってから改めていろいろ調べてみた。ニュースサイトの…

松江城登城その3:天守に登る

ずいぶん前に二の丸までたどり着いておきながら、天守編をアップしてなかった。そこでこのたび、半年ぶりに本丸・天守編をアップ。この入口を抜けると本丸。昔訪れた時、本丸は有料だったような気がしたんだけれど、どうだったかなあ?

東京国立博物館「伊勢神宮と神々の美術」

今日は東博でやってる特別展に行ってきた。 もうすぐ伊勢の式年遷宮があるので、それにあわせた興行的な展示なんだと思う。 日本のもの作り情報館 東京国立博物館お盆の最終日だし大して人もいないだろうと思っていたのだが、それなりの人が入っていた。さす…

京都と大阪に出張(後編)

今回の関西行きは、土曜に京都で行われる講演会を聞くのと、日曜に大阪で開かれる学会に参加するため。西本願寺を見学したあと、お昼をと思い近所の食堂に入る。「相生餅」という名前の食堂。この名前、京都でよく名前を見かけるような気がすると思い、戻っ…

京都と大阪に出張。

この土日、大阪での学会と京都での講演会を聞きに関西方面へ行っていた。といっても今は何にも研究費もらってないから自費だが。二日間ほとんどフル稼働みたいな感じの、けっこうハードなスケジュールだった。JR東海ツアーズのパックなもんで土日での一泊二…

入間市博物館

日曜は、埼玉県は入間市の博物館に行ってきた。金子文書の「里帰り」展。武蔵武士である金子氏の一流が江戸時代に長州藩の藩士で、そのご子孫が萩にお住まいだったのだが、文書を先祖の地である入間市に寄託したいとのことで、文書が寄託されたことを記念し…

松江城登城その2:二の丸をめぐり往時を偲ぶ。

山陰旅行シリーズ。二の丸は、江戸時代には御書院という御殿があったところだ。江戸時代初期には御殿として使われていたようだが、さすがに丘陵中腹の立地で規模が小さいためか、三代藩主以降は藩主居所としての機能は別のところに移ったようだ。その後はお…

松江城登城その1:二の丸手前まで

山陰シリーズの再開。寝台列車で現地入りしたにもかかわらず自転車爆走で巡見するなど、前日は少し無理をしすぎたので、翌日は少し抑えめの予定にする。朝風呂の大浴場からも、朝食会場のレストランからも、朝日に輝く宍道湖が一望できた。その贅沢な景色を…

研究報告をする。

学校が始まるとその仕事に追われてあまりいろんなことをする余裕もなくなるんだけれど、先週は研究報告をさせてもらった。あまり考えずに予定を入れてしまったせいで、予備校の仕事とバッティングしてしまい、2日の間に2回の報告と1つの締め切りという、ちょ…

出雲風土記の丘と出雲国府跡周辺。

出雲大社周辺の巡見を終えたのち、一畑電鉄に乗って松江しんじ湖温泉駅へ向かった。途中、一畑薬師や鰐淵寺にも寄りたかったのだが、時間の関係で今回はパス。駅から歩いて数分のところにある宿に荷物を置き、そしてそこでレンタサイクルを借りて、一路、出…

外園豊喜さん訃報。

もう旧聞に属するが、外園さんの訃報に接し、お通夜に行ってきた。僕自身は教えを受けてはいないが、外園ゼミ出身の人々とはいろいろ関係していることもあり、一度史料調査に誘ってもらったこともあった。そういえば、外園ゼミ出身の先輩の引っ越しを手伝っ…

出雲大社とその周辺(後編)。

2007年にできた島根県立古代歴史文化博物館。 入口までの長いアプローチは、大社本殿の古図にある「引橋一町」をイメージしたものだという。この博物館は、すでに紹介した出雲大社境内出土の宇豆柱を中心に、神社はもちろん、荒神谷遺跡など出雲地域の著名な…

出雲大社とその周辺(前編)。

サンライズ出雲は終点の出雲市まで乗車した。出雲大社が最初の目的地だったのである。終着の出雲市駅で一畑電鉄に乗り換え、出雲大社を目指す。電鉄出雲市駅は高架化されていて近代的な施設だった。前に来たっけなあ?

史料批判。

研究会の帰りに本屋に立ち寄った時、ふと興味を引かれる本の表紙が目に飛び込んできた。お、と思い手に取ってみた。パラパラと眺めているうち、ほんとに偶然に、あるページに目がとまった。その本は歴史系の内容で、史料を引用しながら文章が展開していって…

久しぶりに本郷へ

ひさびさに史料編纂所へ行った。と言っても今は耐震強度の問題で正規の図書室は閉鎖されているので、赤門脇っちょの福武ホールにある臨時の図書室である。部屋が小さいので、予約をしないと利用できない。そこら辺で敷居の高さを感じてしまってなかなか足を…

鞆の浦埋立架橋問題。

http://www.asahi.com/national/update/0211/OSK200902110018.html 江戸時代の港や町並みが残り、映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台ともされる広島県福山市の「鞆(とも)の浦」で県や市が進める埋め立て・架橋計画の認可を国が渋っている。世界遺産登録…

もう「建国記念の日」なんていらない。

今日は「建国記念の日」。勤め先の学校の教室に貼ってあった行事予定表に「建国記念日」とあったのを見て、「建国記念日」じゃなくて「建国記念の日」だからなと、生徒に注意を促すことくらいはしておいたが、そもそもなんで今日が祝日になっているのかとい…

師走を駆け抜ける

水曜の報告が終わった後、木・金は大量の答案の添削と、大学の方の授業準備。またペンだこが大きくなった。金曜は、授業の後普段なら出ているゼミにも出ずに帰宅し添削の続きをやった。それでもとうてい終わらなかったので、一部の答案の締め切りを日曜にし…

研究会。

昨日は本郷にて研究会での報告。神社の話なんであまり人は来ないかと思っていたんだけれど、けっこうたくさんの人に来ていただき、ありがたかった。中世の神社なんてマイナーだという認識が強いためか、やや被害妄想が入ってるのかもしれない(笑)ただ、肝心…

研究系のできごと。

先月末の報告は、研究史整理的な報告をした。僕のやっている中世神社史研究というのは、世上の関心とは異なり、率直に言ってきわめて研究の遅れている分野で、実証的な蓄積そのものが足りない。そういうなかでオカルト系や、宗教的立場だと言わざるをえない…

そんな感じの誕生日。

先週は金曜は朝8時半から21時ごろまでお仕事。大学の授業準備であまり寝ていないので、さすがに普通は出ている大学院のゼミはお休みして翌日の本報告に備えるものの、夕方にはまたよびこーの会議。その夜は報告準備の仕上げなのに土曜までに提出の書類作成も…

海外での中世神道研究の現状を学会で聞いてきた。

昨日の午後は、専門とはちょっと異なる学会に出た。気になる発表題目がその学会大会の看板にあったので、それを聞きに行った。報告自体は30分にも満たないものだったが、内容はなかなか興味深いものだった。報告者は、近年積極的に神道論を進めている門屋温…

くらやみ祭と五月会。

全く予備知識もなく展示を見たんだけれど、ところでくらやみ祭って、中世にはどうやら五月会という呼称も持っていたようだ。どういうところが中世にまでさかのぼる要素で、どこら辺が近世的、あるいは近代的なのかはよくわからないんだけれど、そこら辺につ…

ソウルの南大門焼失。

http://www.asahi.com/international/update/0211/TKY200802110015.html10日夜出火したソウル市の「南大門」(崇礼門)は、木造二層構造の楼閣のうち、一階部分のごく一部を残して全焼、崩壊した。韓国大手朝刊各紙が一面トップで火災を伝えるなど、韓国社…