歴史学と民俗学。

ちょいと必要があって、戦後歴史学における民俗学への言及について、ちょっと文献を当たっている。まだきちんと当たったわけじゃないんだけれど、ここにも東と西の学派の違いが見えてきて、けっこうおもしろい。

特に東は、石井進氏が若い頃柳田国男の元に出入りしていたことや、網野善彦氏が渋沢敬三の常民文化研究所と深いつながりがあったことなどもあって、比較的民俗学に対して親近感が強いように思う。一方で、西、特に黒田俊雄氏などは、やや古い文章だけれど、民俗学文化人類学は超時代的に日本民族や「神道」の特性を捉えようとしたりする傾向があることを批判している。

時代的には、黒田氏の批判の後に石井氏や網野氏の仕事があるので、別に西だからどうということでもないとは思うんだけれど、少なくとも1960年代頃には、おそらく民俗学へのスタンスの違いというものがあったのではないのかな、と今のところは考えている。