神道のシンポ。

午後からは、渋谷の國學院大學で開催されたシンポ「中世神仏文化の点と線―真福寺の神道書と伊勢神道―」を聞きに行く。

正直なところ、いわゆる「中世日本紀」や中世神道論については、まだちゃんと勉強してなくって、聞きかじり程度のことしか知らない。僕の修論の副査の先生、中世神道論の大家の先生だったのになあ。あの時ちゃんと勉強しておかなかったなんて、ほんともったいないことをしたもんだ。というわけで、今のところの僕の仕事も、直接こういうことに関係するわけじゃない。

けれども、いずれはこの分野に関する知見を元に議論を組み立てていく必要があるだろうなと考えている。それはたぶん、今やってる研究の行く末がある程度見えてきた時だろうとは思うんだけれど、そっから勉強するんじゃ遅いだろうし、今どういう問題意識に基づいてどういう議論が展開されているのか、というところは知っておきたかったから。

で、やっぱり行ってよかった。それぞれのパネリストの具体的な議論には触れないけれども、それらの報告を聞いて、伊勢神道や中世日本紀の生成においても、13世紀後半から14世紀にかけて世界の転換というものがイメージされている、ということを知ることができたのは、僕にとっては大きな収穫だった。

この時期の社会や思想状況における転換を、モンゴル襲来に帰すことはたやすい。けれども、現実にはそれ以前からの動きもあり、全てをモンゴルにしてしまうのでは思考停止に陥ってしまう。この時期の自律的な変化をきちんと腑分けしてって、もう少し具体的なところで考えていく必要があるなあと、自分の研究に引き付けたことを考えていた。あと、具体的なところでも調べる必要があることにいくつか気づかされたし。


その後、同席した日本文学や思想史の人々としばし飲み、渋谷を撤収。もう一つ、誘われてたところに顔を出し、深夜に帰宅。