「昭和の日」

4月29日を「昭和の日」とすることが参議院で可決された、という記事が新聞社のサイトに載っていた。「みどりの日」は5月4日にするそうだ。

別に祝日が増えるわけではなく、ただ単に祝日の名称を変更する、というだけのことで、時々は振替休日が多くなるらしい。けれども、やっぱりここにはある種の「キナ臭さ」を感じずにはいられない。

昭和天皇が亡くなったことによって、「天皇誕生日」という国民の祝日は12月23日に移ったんだけど、自民党の人々はどうしてその時に4月29日を「みどりの日」なんかにしたんだろう。こう考えると、あの頃はまだ昭和天皇の誕生日を「昭和の日」とするような機運がなかったんだろう。そして今でも特にそういう機運はないと思うのだが、永田町の中だけはどうも別の空気が漂っているようだ。

単に休日を増やすことを目的とするのなら、5月1日のメーデーを祝日にすればいい。そうすれば、4月30日も5月2日も自動的に「国民の休日」になるから、一挙に1週間の休みが確保される。しかも振替休日なんかに頼らない、毎年確実に成立する休日になるのに。

もう亡くなってしまった昭和天皇の誕生日が「昭和の日」になるのに、「メーデー」は「国民の祝日」にはならない。こう考えれば、今回の祝日の名称変更が明らかに、ある種特定のイデオロギーによる操作だということがわかってしまう。

けれども、そういう自民党の動きが、僕の目には完全に社会から浮いているように見える。祝日の構成を考えるのなら、政治家ならばもっと経済効果とかそういうことを考え議論する必要があるだろうに、どうして未だに旧態依然としたイデオロギーにしがみつこうとするのだろう。やはり今の60代以降が、軍国少年として育ったというライフサイクルの問題にもなるのだろうか。

 

※追記【2019年3月】

今にして思うと、こういう動きは戦争をまがりなりにも知っている軍国少年なんかではなく、二世・三世のネトウヨ議員の志向だったんだな。