図書館のコンピュータシステムとデータベース

今日は9時5時で一日図書室バイト。僕の出勤していない数日前から図書室のコンピュータシステムを入れ替えていて、今日は基本的な操作の説明を受けた。

これまでのシステムはIBMLibVision(ライブビジョン)というシステムだった。これは書誌情報・所蔵情報・アクセスポイント情報をそれぞれリンクさせて図書データベースを構築するというやり方だった。書名や著者名などが、本のデータとは独立した一つのデータ(アクセスポイント)となっている。

今度導入された情報館95は、書名や著者名データが基本的に一冊の本のデータに付属していて、アクセスポイント方式を採るL-Visionとは異なっている。

で、僕がやっている図書の遡及入力業務で何が違ってくるのか。前々回ロードされた時のデータ形である「網野善彦゜」(読みが「あみのぜんひこ」)の「異形の王権」(読みが「いけいのおうけん」)という間違った書誌データがあるとする。L-Visionでは、アクセスポイントデータを、「網野善彦」(「あみのよしひこ」)の「異形の王権」(「いぎょうのおうけん」)と直してやると、同一のアクセスポイントにリンクされていれば、イメージリーディング叢書の『異形の王権』だけでなく、平凡社ライブラリー同名書までもが訂正される。また、「網野善彦」が著者・編者・監修などとして著者名にリンクされているすべての書誌データも訂正される。

それらの書誌がすべて同じアクセスポイントを用いているのだから、当然と言えば当然だ。

一方、情報館では、イメージリーディング叢書の『異形の王権』に関して著者名を「網野善彦゜→網野善彦」(読みを「あみのぜんひこ→あみのよしひこ」)、書名の読みを「いけいのおうけん→いぎょうのおうけん」に訂正したとしても、その訂正は平凡社ライブラリーの『異形の王権』には反映されない。書名や著者名が一つ一つの書誌データにそれぞれ対応する形で付属しているから、別の本には訂正が反映されないのである。

図書データベースとしては、情報館よりもL-Visionの方がより複雑なやり方だ。で、情報が多くなればなるほど、逆にL-Visionの方が検索の効率性が高まるだろう。この違いを比べてみると、L-Visionの方が大きな図書館向けで、情報館の方が比較的小規模の図書館向けだということが明らかになってくる。

僕のバイトしている図書室は、おそらく全国の高校のなかでも蔵書数がトップに近い(統計上はトップらしいが、実際には統計ほどの蔵書数はないようだ)。確か統計では14万強くらいの蔵書数だ。けれども大学図書館ほど冊数は多くないので、どちらの方式を採用すればいいのか難しいところだろう。まあ所詮バイトの僕が判断することではないのだが。

でも、研究のために個人でデータベースを作るときでも、L-Visionのようなリレーショナル型データベースにするか、情報館のような表計算型データベースにするかは、判断に迷うところだろう。

日本史、特に中世の人は、「桐」でデータベースを作っている方が多いようだ。昨日は後輩が、「ファイルメーカーPro」でデータベースを作ると言っていた。僕のパソコンにはAccessが入っているのだが、まだほとんど使いこなせていない。Accessって、Exelなんかと違ってなんとなく取っつきにくいのだ。まあ、基本的に文字データで、数字の計算をする必要はまずないから、とりあえずはどれでも対応できるのだろうけれど。史料のデータベースを作りたいのは山々なのだが、どのソフトでどのように作ればいいのだろう。僕としては初期投資を抑える意味でも今あるAccessで作りたいのだけどなあ。もっと簡便で使い勝手のいいソフトがあるのだろうか。