わさびが暴走する

そんなこんなで今日は働いたので、自分にお疲れさん、ということで寿司を食った。もちろん回転寿司。天下寿司。オール130円。でもまあまあですよ、まあまあ。

で、一人で店に入り、寿司を食らっていたら、隣に座っている小さい子連れの奥さんが僕の方を見て何か言おうとしている。

「いやーいけないよ奥さん。土曜日に旦那がいないからって回転寿司で隣に座った男に手え出しちゃあ。え、だってそのワンパクそうな子供はどうするんだい。」
という妄想がよぎるまもなく、そのワンパクが笑い出した。

どうやら僕の頭が、ベルトコンベアーの中の寿司握りの人の手から飛び出してきたわさびをダイレクトキャッチしてしまったらしい。わさびは比重が小さいので、僕の頭センサーでは感知してない。でも付いてるらしい。

そうこうしているうちに客扱いの店員が飛んできて、僕の頭をティッシュかなんかで拭い始めた。どうやらわさびは試験監督のために整髪料で固めてある髪の固まりに染み込んでいるようだ。結構何度も何度も拭っている。

結局落ちたみたいなのだが、僕の目には見えないので、あまり被害を被ったという実感がない。なぜかニコニコしている。それにも関わらず、その店員の兄ちゃんは

「すんません。一皿抜いときます。」

と言って皿を抜き去って行ってしまった。お勘定の時の言い方だと、「6枚さん」が「5枚さん」になったのだ。うぉー、やたーやたー。一枚得したー。やたー。わさびのおかげで僕は安心して「マグロ納豆巻」と「アナゴ一本差し」に手を伸ばすことができたのだった。こんなわさびなら大歓迎さ。来週も試験監督で着る予定のスーツに付けられたらキレるけど。