シンポジウム。

昨日ネットをめぐっていた時のこと。お、神社に関するシンポジウムがあるんだあ、國學院かあ、で、いつ?と思ったら、なんと明日!うわっと思ったが、たまたま今日は一日スケジュールが入っていなくて、参加も可能。いちおう神社を研究テーマとしてる身としては、これは行かねばと思い、急遽参加を決定。

朝9時半から18時までと一日拘束されるスケジュールで、急遽入った予定としてはそれなりにヘビーではあったけれど、神社について古代から近代まで一通り押さえたシンポなんて滅多にないことで、通時的検討によって浮かび上がる問題点が示されたのはよかったと思う。また個別の報告内容も僕の問題関心と相当被っていて、興味深く聞かせてもらった。

國學院ってことで、靖国についてはどう評価するんだろうといった関心もちょっとはあったんだけれど、今回は報告者個々人の方のテーマ選択上、取り上げられることはなかった。ただ、その話になるともうそれだけでお腹一杯になっちゃいそうだし、あれだけ政治的に騒がれたテーマを限られた時間の中で学術的な議論として成立させうるかという点でもちょっと疑問。せっかくの通時的な問題設定が意味をなさなくなる恐れもあるわけだから、今回はなくて正解だったんだろうなあ。

前近代、特に中世の神社史については、ここ10年くらい精力的に神社史に取り組んだ蓄積のおかげで、別に右左ということなく学術的な議論を交わすことができるようになってきている。これはとても大きな研究的前進だと思っていて、僕なんかはそういう学問的恩恵を被っている。けれども、近代史ではまだそういう状況には至っていないようだった。あまりに認識の違いが大きすぎるのと、きわめて政治的なテーマと結びついてくるために、学問的な議論がしにくい状況なんだろうけれど、立場は立場として、学術的な議論ができるような状況に、もう少し進んでいくといいんだろうけどなあ。