「神々と出逢う−神奈川の神道美術−」。

ようやく報告から解放され、でも原稿を書かなくてはいけないんだけれど、まあいいやってことで、神奈川県立歴史博物館の特別展に行く。東横線経由、みなとみらい線馬車道駅で降りる。

思ったよりもずいぶん中世以前の品々が展示してあって、その数にはちょっと驚いた。ぼんやりとした印象で、関東ではそんなに古いものはないって先入観があったんだけれど、決してそんなことはないんだな。

神像って、あまり意識して見たことがなかったんだけれど、今回の展示でいくつかのパターンがあるんだなということを知ったのは収穫だった。まあ、説明されてはじめてわかるレベルだけどなあ。

今回神像をたくさん見て感じたのは、平安期の摩滅した作品はともかく、鎌倉期の、運慶様なのか、そういった彫像群と、室町期以降の彫像とでは、なんだか断絶があるように思えてならなかった。室町期になると、彫刻がおしなべて素朴な感じになっちゃうような気がした。これって、関東地域の特徴なんだろうか、それとも全国的に見られる傾向なんだろうか。関東に鎌倉幕府があったことと関係がありそうなのかなさそうなのかとか、もう少しわかるとおもしろそうだなあ。

こういった悉皆的調査とその成果の展示って、「あ、こんなのなら家にあるかもしれない」なんてことを思い起こさせ、新発見につながるとしたら、さらなる学術上の意義もあるわけで、有意義な仕事だと思うなあ。