江戸東京博。付:博物館の展示構成について。

今回の江戸博、企画展かなにかで、たくさんのからくり人形も置いてあったのだが、母親が一番興味を示したのは、からくり人形じゃなくって常設展の武家屋敷や町屋の模型。ここのはけっこう丁寧に作り込んでいて、確かに見ていても飽きない。やっぱり歴史空間のイメージを喚起させるのは、模型が一番なのもかなあ。横っちょには展示物もあるけれど、並べられた展示物を一から見て回るよりも、全体的なイメージを模型でぽーんと抱いてもらって、そのディティールを現物の展示で示していく、というのが効果的な展示方法なのかもしれない。

展示品全部を見てもらおうというのは、展示する側としては望むところだと思うけれど、見る側としてはあまり興味のない展示や観覧時間の制約なんてのもある。江戸博がそうなってるわけじゃないけれど、全部を見なければいけないような展示構成というのは、展示する側の押しつけなのかもしれない。観覧者の自由度を高める展示方法というのも、考えた方がいいような気がした。

どうしてこんなこと考えたかというと、実はこの博物館での観覧時間が限られていたから。水上バスで築地に向かおうと思っていたのだが、ここでけっこう時間を取ってしまって、水上バスに間に合わなかった。別に新幹線や飛行機の時間のような制約ではないし、その分展示をゆっくり見ることができたからいいんだけれど、観覧者にだいたいどのくらいの展示分量だというのを把握してもらい、見たいところはじっくり、飛ばしたいところはさくっと、という自由度を確保することも必要なのだなあと、観覧者の立場になってみて初めて思った。

そういう点でいうと、九博はけっこう自由度の高い展示構成を取っていたし、ある程度は展示の概要をつかめる工夫もされていて、新たな試みであったように思う。