2005-08-09 原爆忌。 時評 広島に続き、60年目の長崎原爆忌。空襲の被害もそうだけれど、原爆のことを考えるのに、いくら「100万人の被害を食い止めた」などといって戦略論を強調したって、キノコ雲の下での人々の死や苦しみは、決して帳消しになるわけではない。アメリカの原爆投下は明白な市民の大量虐殺であり、それが戦闘行為だと言って正当化できないのは明らか。けれどもそういう戦争論以前の問題として、僕は原爆正当化論に、まず不愉快さを感じずにはいられない。その原因が、たぶん、人の死を論理で否定する、その態度にあるんだろうなと思う。