引っ掛かることば。

http://blog.livedoor.jp/polarfrog/archives/2005-04.html#20050429
ここで読んだことばが、ずっと心に引っ掛かっている。

年月を経るごとに、もう会っちゃいけない人や会うべきではない人ってのが増えていく。そんな人たちに、最後にあとひとこと、ありがとうとかごめんなさいとか、こんなことが伝えたかった、って言葉を言えずに抱えたまま我々は前に進んでいく。

僕はつとめて人の好き嫌いをしないようにしている。でも、そんな僕にだって、やっぱりそういう人は存在する。さびしいな、とは思うけれど、彼/彼女と関わってきた時間の記憶を消すことはできない。できるのはただ、時の作用で忘れることだけ。忘れてしまっても、ときどきふとした拍子に思い出す。だから、記憶が消えてしまったわけじゃない。

最後の一言、自分の誠心誠意の一言が言えたならば、生きていくのにどんなにか楽なことだろう。あの時、どうしてあんなことを言ったのだろう、どうしてあんなことを聞いてしまったのだろう。そんな忘れてしまいたい、でも忘れられない記憶なんて、数え切れない。

前に進んで行かなくちゃいけない。それはわかっているんだけれど、それでもときどき立ち止まって、後ろを振り返りたくなることもある。けれども、振り返った時に見えているものは、いったい何なのだろう。僕は、何を見ようと振り返ったのだろう。それは、立ち止まって、振り返ってみてもわからないまま。