水木しげる展。

先輩のお誘いで、イブだってのに男二人で水木しげる展に。正直なところ、そんなに水木しげるに思い入れはなかったんだけれど、行ってみたらなかなかどうして、見応えのある展示だった。自伝のマンガを中心に構成されている展示で、どうしても字と画を追っかけちゃうから時間がかかるかかる。2時間半くらいは見てたんじゃないかなあ。

どんどん場当たり的に妖怪が出てくる、というよりも、妖怪によって世界のあり方を説明するってな感じの彼の思考は、「のんのん婆」って近所のおばあさんに仕込まれたんだな。その婆さんみたいなのはたぶん全国にたくさんいたんだろうけれど、今やほとんどいないだろう。対馬で聞き取りやった時の、あるおじいさんに似てる気がしたな。でも生きてた時代がぜんぜん違うから、やっぱりずいぶんそういう独自のコスモロジーを持った世界観は薄まってるだろうなって思う。でも、20世紀までかろうじて命脈を保ってきた、ああいう形での世界観っていうのも、ちょっとおもしろい気がした。