集中講義4日目

集中講義は、今日で4日目。そういえばこれが始まってから、ちょっと更新頻度が落ちてる。さすがにちょっと疲れが出てきたなあ。今日はなんだか事務仕事もうまくまわらなかったし。まあ、10分や15分で15枚綴りのレジュメを100部近く作るなんて話が、そもそも無理な話なんだけど…

講義内容自体は、一連の講義の中で僕にとっては一番関心のあるテーマ、靖国神社をめぐる問題だった。今回は雑務が多すぎて完全には講義を聞いていないのだけれど、かなり現代的な関心から発して靖国の性格を考えるというスタンスだった。そういう意味ではいろいろ興味深い講義だったと思うし、質問も多く出ていた。

ただ、ちょっとこの辺のことをにわか勉強した者としては、靖国における「非宗教性」の強調は、必ずしも神社としての靖国そのものの特殊性を強調することにはならないんじゃないかと思った。

現在では文科省文化庁なのかな?)が寺院といっしょに管轄している宗務行政は、戦前は宗務を担当する文部省ではなく、内務省神社局→内務省外局の神祇院が管轄していた。神社は宗教ではないという考えからこのような管轄の違いがあった。

で、いくつかの研究を見てみると、神社が宗教ではないとされていたことは、戦前においてすら必ずしも自明のこと、是認すべきことだとは考えられてはいなかったみたい。とくに、宗教ではないという建前が存在するがゆえに、神社参拝が形式的な儀礼と堕してしまい、敬虔な信仰が失われているといった問題点も指摘されていたようだ。

靖国の特徴は、僕なんかがぼんやり思うのは、神社一般の問題としてもとらえうる「非宗教性」じゃなくて、むしろ祭神がきわめて人格的であること(現実の戦死者を祀っているわけだから)、祭祀のあり方が完全に軍部の指揮下にあることなどの方じゃないのかなあ、などと考えたりしながら聞いていた。いずれにしても、こういうことを考えさせてくれるという点では、興味深い講義だった。