東京だよおっかさん。

埼玉に住んでる自分の妹夫婦(僕から見ると叔母さん)と一緒に上高地や黒部、木曽の奈良井宿に旅行してたうちの母親、今度は僕が東京案内をすることになった。

といっても、もうお台場も銀座もビル街も行ってて、もういわゆる名所は一通り見ちゃってる。しかも六本木ヒルズなんて別に興味ない、人が多いところは疲れるから嫌だと、なかなか厳しいご注文。

さあてどうしようか、まったく手のかかるおばさ…(以下略)というわけで考えたのが、白金の庭園美術館。旧朝香宮邸として建設されたアールデコ様式の洋館で、現在では美術館として活用されている。ここには行ったことないというので、まあここでいいやと思って連れてくことに。

母親なら、たぶんアールデコの洋館に食いついてくれるだろうと思って、そのもくろみは案の定成功した。ルネ・ラリックのガラスレリーフやアンリ・ラパンが手がけたという内装に目を奪われていた。美術館という現在の用途のせいで室内に差し込む光が遮られていて、建築として鑑賞できなかったことを母親は残念がっていたけれど、ずいぶん興味持ってくれたようで、まあよかったのだろう。