ブルートレイン大幅削減。

今日の朝日新聞朝刊。前々から「あかつき」がヤバイ、「銀河」もひょっとしたら、なんて噂があり、「あかつき」はそろそろだと言われていたけれど、再来年には「富士」や「はやぶさ」までもが。長崎出身の僕としては、優等列車の象徴のように思ってきた「さくら」の廃止は衝撃的で、個人的には一つの時代が終わったな、という感じだった。けれども、今度の廃止は、鉄道史の上でも大きな転換点だ。

最近内田百間(本来は門構えに月)の鉄道紀行文を読んでいるんだけれど、あの頃の「つばめ」や「はと」といった東海道優等列車系譜を引き継いできたのが「さくら」や「あさかぜ」、そして「富士」「はやぶさ」だったわけだ。これらの特急が今使ってる14系や24系なんて、僕が物心ついた時にはすでに現役だったわけだから、もういい加減老朽化して寿命が来ていることは、乗れば十分にわかるし、定期列車の運用からこれらの車両が外れるのは仕方のないことだと思う。もちろん、状態のいいの一編成くらいは臨時・イベント用などに残して欲しいんだけど。その関係で寝台特急の整理・統廃合が生じるのは仕方がない。

けれど、ブルートレインの廃止は、東海道寝台特急そのものをなくしてしまうことになるんだろうか?寝台特急に代わって東海道・山陽を駆け抜ける新幹線車両には、残念ながらブルートレインほどの魅力は感じられないわけで、ブルートレインの低迷とともに、鉄道に乗って旅をしたいという「旅行商品」としての鉄道の価値も、昨今では低下しているように思えてならない。

トワイライトやカシオペアが北海道観光や「豪華列車」という「商品」として成り立っているように、東海道にも一本くらい、「超特急つばめ」や「富士」「さくら」の伝統を受け継いでいるんだぞという、「商品」としての鉄道のイメージを形作るような列車があってもいいと思う。必ずしもそれがブルートレイン直系でなくてはならないわけではないけれど、やっぱり日本の鉄道の看板列車の一つを目指すからには、豪華な個室寝台と食堂車・ラウンジを備えた車両であって欲しい。北海道よりも観光資源の豊富な九州を目指すのであるならば、観光列車としてのプロモーションは十分に可能だと思うし。

あと、むしろ逆の方向に振り切って、「ムーンライトながら」を大阪まで延伸、団体扱いにして片道5000円くらいで通年で売り出せば、高速バスよりはるかに快適だし時間は正確だしで、十分対抗できる。「のびのびシート」なんかもつけて。これも、ただ単にニーズというだけじゃなくて、鉄道で旅行したいという客層をつかみ、育てるという意味でも、検討に値すると思うんだけどなあ。