結婚式。

大学時代のサークルの仲間が結婚することになり、式と披露宴を都心のイタリアンレストランでやるというので、土曜のお昼の神田へ。

起床時間は別に問題なかったのに、支度にもたついてしまって、到着が開宴時間ギリギリになりそう。相当ヤバイ状況だったので、本来なら九段下の駅で地下鉄を乗り換えていくところ、そこからタクシーで会場へ。なんとか普通の受付時間に間に合う。まごまごしながらご祝儀を出すと、そこには同じサークルの仲間の顔が!はっ。焦っててぜんぜん気づかなかったよ〜

テーブルにはすでに仲間たちの姿が。先週、例の鉄道模型バーで飲んだ人もいれば、遠くからやってきていたり、僕と音信が取れなかったりしてずいぶん長いこと会っていない人もいた。近況などをいろいろと聞く。昔からの友人って、10年も会っていなくても、会えば10年前と同じような話し方で話せるんだなあ。昔に戻ったようで、ちょっとうれしくなる。

そうそう、僕が席に着いた瞬間、「なんだか胡散臭いプロデューサーとか大学の人みたいだなあ」と評される(笑)。まあ、確かに当たってるんだけど。そう思ってみんなの姿を見ると、僕以外はみんな確かにサラリーマン。文学部だったのも、院に進んだのも僕だけだもんなあ。ま、胡散臭くもなろうかと。でもそう評されたほんとうの理由は、無精して髪を切りに行ってなくって長髪のやや茶髪だったから、というのはヒミツ。

そうこうしているうちに、新郎新婦が登場。あらかじめ配られた白い薔薇の花を新郎に渡す。ちょっと緊張しているみたいだ。その薔薇は、各テーブルから新郎新婦手づから集めたあと、最後の花束を作るっていう趣向。みんなと少しずつ触れあえるこういう趣向は、少人数の宴だからこそできることではあるけれど、あたたかな雰囲気だなあと思った。

人前婚の式が終わり、宴へ。

彼は社内の人と結婚したので、あいさつも会社の上司、同僚が多い。その後、司会が何人かの人に話を振ってきた。もしかすると、このサークルテーブルでは僕かなあという予感がなんとなく働いたので、話のネタを少しばかり念頭においといた。すると案の定僕がご指名。司会の方はどうも彼の鉄道話を期待されていたようだったんだけれど、急にはエピソードを思い出せなくって、ちょっとまいちゃったな。でも、まあなんとか。

そうそう、実は僕、彼のご実家にお泊まりしたことがあったので、その節のお礼をご両親に述べる。ご両親も覚えていらしたようで、ご挨拶をいただく。もうあれは15年近くも前のことなんだなあ…

レストランウェディングということで、お料理にも期待。鰻の薫製とかも美味しかった。お肉は香ばしく焼き上げられ、しかも柔らかくて、僕は満足。さらに、宴の最後にはデザートブッフェということで、会場を地下のワインセラーに移し、新郎新婦もコック風の衣装に着替えてケーキを給仕してくれた。一瞬店員さんかと思っちゃった。そしてこの場で、ご両親へのあいさつなどがあり、披露宴はつつがなく終了。

彼はいつもにこやかな人なんだけれど、新婦もいつも笑顔を絶やさない雰囲気の穏やかそうな、きれいな人で、いいカップルだなあと思った。式や披露宴も、みんなに楽しんでもらおうといういろんな趣向が凝らされていて、そして全体としてはとても清潔感が漂っていて、彼の人柄が滲み出てるなあと微笑ましくなった。

僕自身、ここんところ降って湧いた出口のない問題への対応でへこみ気味だったせいか、この披露宴のおかげで、なんだか少し心が洗われたような、元気をもらったような、そんな気持ちになることができて、うれしかった。新郎新婦に感謝しなくちゃ、な。