パルテノン多摩。

後輩から、パルテノン多摩で武蔵一宮の小野神社の展示があるということを教えてもらったので、日曜日に行ってみた。

西武拝島線玉川上水駅から多摩都市モノレールに乗車、多摩センター駅に向かう。

立川まではずっと平地。地形としては単調。とくに立川付近の再開発地域は、まるでシムシティかなにかで作ったバーチャル都市のシミュレーションのようだ。

立川を過ぎると急に地形が起伏に富んでくる。多摩川への河岸段丘を越えて多摩川を渡り、高幡不動五重塔を右手に見ながら多摩丘陵へと入っていく。多摩動物公園をさらに過ぎ、トンネルを抜けると、計画的に道路が配されたニュータウン特有の地割となり、ビルも見えてくる。終点の多摩センターである。

モノレールの多摩センター駅は、もともと多摩ニュータウンへのアプローチとして敷設された京王線小田急線の駅よりもずっとのちに作られたため、鉄道駅からはやや離れたところにある。モノレール駅からは歩道橋が延びていて、鉄道駅の前にあるペデストリアンデッキに接続している。

鉄道駅は、改札が二階に設けられており、二社ならんだ改札を出るとそのままペデストリアンデッキ、さらにパルテノン多摩へと伸びる広い道路へとつながっている。ペデストリアンデッキの下には、バスのターミナルやロータリー、そして車道が設置されている。人の動線と車の動線とが交差しないよう、二層構造に設計してある。

パルテノン多摩へ向かう広い道は緩い登りになっており、この道の右手に京王プラザホテル、左手にはイトーヨーカドー。さらに進むと十字路があり、この道と直交する平らな道ぞいに、三越・大塚家具やユニクロマクドナルド、スターバックス、その他いろんな店が建ちならんでおり、多摩センター駅地域の商業エリアの中核を形成している。直交する道を突き当たりまで進むと、サンリオピューロランドがある。

街の設計思想をすみずみまで読み込むところができる点は、やっぱりニュータウンだよなあ。逆に言えば、あらゆるところに人間の意志が貫徹しているために、ちょっと息苦しいところもある。

写真は、多摩センターの駅から道を上ってきて、サンリオピューロランド方向を見たところ。休日のせいか、家族連れが多い。

さっきの登りの道をまっすぐ登ってったところに、パルテノン多摩はある。この施設は、コンサートホールを中心に歴史ミュージアムも併設した複合文化施設であり、多摩センター駅前地域の象徴的な建築物として位置づけられている。

で、歴史ミュージアムは入場無料。だもんだから、僕はてっきり、こぢんまりとした展示スペースしかないものと想像していたんだけれど、さにあらず、けっこう充実した展示内容だった。ただ、史料的な制約からか、中世に関してはどうしても手薄だったなあ。史料がない以上わかんないし、しょうがないけど。それでも、僕の全然聞いたことのない史料とか出ていて、やっぱりおもしろかったな。


ここで展示を見ていて感じたんだけれど、関東での通史叙述における江戸期の位置っていうのは大きいんだなあということを改めて感じさせられた。

もちろんそれは、近世史研究の深化が前提にあることはわかるんだけれど、西の方だと、一般的にはやっぱり中世の占める位置っていうのがもっと大きいように思う。その違いに、僕は改めて、軽いカルチャーショックを受けた(ような気がした)。

その違いは、単なる史料的制約によるものなのか、それとも、もっと地域的な差異によるものなのか、それは自分自身のなかでもよくわからない。けれども、東の方における江戸期っていうものの持つ意味が、西とはおそらくは違った意味を持つのだなあということだけはなんとなく感じている。


その後、軽く食べてから帰路につく。