自由学園 明日館

池袋西口を少し南、目白方向に住宅街を歩いていくと、ふいに空間が開け、大きな窓と緑の屋根が特徴の、平面的な建物が目に入る。旧帝国ホテルや落水荘などで有名なフランク・ロイド・ライトによって、帝国ホテル建築のために日本に滞在している時に立てられた「自由学園 明日館」(1921)である。

関東大震災、第二次大戦の戦災を乗り越えてきたこの建物も老朽化は免れず、国の重要文化財として指定されたのち改修が施され、現在ではイベントなどに活用されつつ内部見学可能な施設となっている。

自由学園校舎として設計されたこの建物の特徴は、やはり正面のホールだろう。南に面した縦に長い窓からは、ホールに眩い日差しが差し込んでくるように設計してある。その窓は斜めに切られたデザインで、シンプルな窓の構造にアクセントを与えている。

屋根の間の明かり取り窓から斜めに差し込む光が美しいダイニングルームや、ホールの窓を見下ろすことのできる中二階も見たかったのだが、あいにく貸切で見学は叶わなかった。

ホールの中から窓の外を見ると、満開の桜の木から白い花びらが風に舞っていくのが見えた。もう、桜も終わりかな。