「さくら」「あさかぜ」廃止。

昨日のニュースだけれど、ついにブルートレイン主力の一角、「さくら」と「あさかぜ」が廃止された。

寝台特急、“ブルートレイン”という列車種別では、確かに東京を夕方に出ても目的地に着くのが昼過ぎっていう「さくら」なんかのダイヤはすでに過去のもので、廃止もやむなしなのかもしれない。

ただ、「さくら」にしろ「あさかぜ」にしろ、あるいはかろうじて残ることになった「富士」にしろ、戦前の鉄道省時代から国鉄時代にいたるまでの、日本を代表する看板列車の愛称であったわけで、それがブルートレインという一輸送形態の衰退とともに消滅してしまうのは実に惜しい気がする。

たとえば現在では博多と長崎を結ぶ九州内都市間特急の愛称である「かもめ」は、もともと戦前に東京と神戸の間を結ぶ、「富士」「桜」「燕」につぐ特急「鴎」として、そして戦後は京都と長崎を結ぶ特急の愛称として使用され、新幹線の西進とともに九州内特急として生き残ったものだ。「つばめ」も同様で、戦前から戦後のある時期、名実ともに日本を代表する列車の愛称であり、新幹線の博多延長で特急名としてはいったん消えたが、九州特急として復活し、新幹線の愛称に引継がれたのは周知の通りである。

「さくら」や「あさかぜ」といった歴史ある長距離特急の愛称は、これでしばらくおやすみすることになったけれども、いつの日か、これまでの栄光の歴史に恥じぬ内容をともなった特急として復活することを望みたい。