イラクの人質。

事件は一番最悪の形で終わってしまったようだ。今回の事件ではほんとに情報が錯綜していて、土曜早朝に会見が行われた情報は誤報だったらしく、安堵したのもつかの間、今度は遺体確認につながる情報が飛び込んできた。

僕も正直なところ、なんであんな状態のイラクに行こうって思ったんだろうってのはあるけれど、だからって殺されても仕方ないってことにはならない。それは自己責任だからどうこうということにもならないと思う。以前、コロンビアに仕事に行ってて現地ゲリラに誘拐され、結局遺体で発見された方がいた。それだって今巷間で言われているような“自己責任”だといえばそうだけど、だからって亡くなってもしょうがないという理由にはならない。

誘拐した集団は、もうイラクの市民とは乖離したプロのテロ集団のようだから、おそらく交渉の余地も少なかったんだろうし、48時間以内の自衛隊撤退だなんてそもそも無理。それを考えると、今回の誘拐集団の要求はそもそもデモンストレーション的なもので、できないってわかってることを要求して人質を殺害することが目的だったのかもって気がしてくる。

ただ誘拐集団の要求が理不尽なものであることとは別の問題として、ほんとに自衛隊派遣という形でイラクに行くことが日本の支援として必要なのかどうかという点は、やはり残ると思う。