「やまとなでしこ」とNY

フジの再放送ドラマをたまたま連続で見ちゃってしまってからというもの、どうにも続きが見たくなり、来週には最後2回の放送があるにもかかわらず、近所のレンタルビデオ屋で借りてきてしまった。

この当時(2000年秋)の松嶋菜々子の設定27歳(最終回に28歳)って、ほぼ僕と同じくらいの設定なんだよなあ。この頃はD3くらいか。スッチーとの合コンなんてまるで現実味の無い別世界だって感じの生活してたな。同級生にはいたけど。

ドラマとしては、ストーリーに複雑な伏線もなく、わりと中心的人物のキャラがはっきりとしてて、わかりやすく仕上げられてるドラマ。でも、けっこうおもしろかった。こないだたまたま家にいた時に“見ちゃった”月9が、脚本とか演技とかではなく、ただ「恋愛の決めゼリフ」みたいな言葉の羅列で構成されてるのに比べると、これはなかなかよくできてると思った。

松嶋菜々子、やっぱり綺麗だなあ。当時の彼女には、確かに華があるな。出てるだけで画面が映えるというか、そういうものを持っている。それが天性のものなのか、あるいは鍛え上げられたものなのかはわからないけれど。

ただ、最後のシーン―さすがにもう4年も前のドラマだからネタバレも何もあったもんじゃないと思うけど―で、9.11直前のニューヨークが出てきたのには、少し感慨を思えずにはいられなかった。NYといえば確かにそうなんだけれど、なんとなく空気が違う、そんな気がした。なんとなく猥雑な、でもそれでいて自由な雰囲気が、わずかなビデオ撮りの映像からでも、なんとなくは伝わってきた。その空気は、今中継などで出てくるNYにはない空気だと思う。

あのビルの崩壊が、世界に、厳然とした宗教的対立、そして絶望的なまでの貧富の差があることをはっきりと示してしまった。このドラマみたいに、日本社会のなかでバブルの残り香を思い出しては楽しむようなことも、あの辺で終わってしまったように思う。今では、あんな合コンするのは一部の人間だって認識が、あまりに広まっちゃってるからなあ。今思えば、時代の境目だったのだろう。



とか言っちゃってるわりには、NYなんて一度も行ったことないんだけど…