日記才人の閉鎖に寄せて。

僕は日記才人閉鎖のニュースを、テキスト庵の新着テキストリストで知った。すでに何人もの方が書いているが、僕もやはり日記猿人の頃にweb日記読みにはまり、自分でも書き始めたくちだった。その頃から読んでいるサイトもまだいくつかある。ネット上とはいえ、そうした人々を知り、交流できたことは、やはり日記猿人日記才人のお陰だった。

あの頃の日記猿人の隆盛は、手頃な日記数とともに、投票というシステムの存在も大きかったように思う。今何が話題になっているのか、誰の日記が面白いのか、それがランキングによってよくわかるような形でうまく機能していて、それが筆者や読者をある種のコミュニティに参加している感覚を生じさせていた。

けれども、そういったコミュニティを維持していくには、日記猿人は規模が大きくなりすぎた。そのためマイ日記猿人が開発されたが、その機能を使いこなせばこなしていくほど、日記猿人の魅力であったコミュニティとしての性格は薄れていったように思う。

日記才人になってからもしばらくはそうしたコミュニティ的性格を持っていたように思ったが、そのうち僕はほとんどマイ日記才人しか使わなくなっていった。そしてブログの大流行で、もはや日記才人で新しい日記を開拓しようなんて気はまったく起きなくなり、ここ2、3年は日記才人の更新報告を見ることはほとんどなくなっていた。実際アクセスを見ても、日記才人からのアクセスはごくわずかとなっていた。コミュニティ的な感覚を持って参加しているのはもう、テキスト庵くらいだなあ。

以前同じようなことを書いた時には日記才人がこれからどうなるんだろと思ったが、日記才人は結局webの発展史的にはその歴史的な使命を負えた、と評価できるのかもしれない。寂しいことではあるけれど、管理者の方のボランティアに頼っているわけだから、閉鎖の判断もやむをえないのかもしれない。今までお世話になりましたと、一言お礼を申し述べておきたい。