市民は新刊本など読むな、か。

図書購入費が前年度の10分の1に激減

 山陽小野田市は二〇〇七年度当初予算案で図書購入費を大幅に削っている。中央、厚狭の両図書館の予算は〇六年度の十分の一に減り、新刊本、雑誌、新聞が満足にそろわない状況に陥る。八日から始まった定例市議会一般質問でも、複数の議員がこの問題を取り上げ、市の姿勢を問うた。白井博文市長は「図書館で本は命だが、新刊に限ったものではない。市民の協力を得て充実していくのも一つの方策。手法はいろいろあり、知恵が試されている」とした。
 中央館の図書購入費は〇六年度より九百四十万円減の七十八万円、厚狭館が三百六十万円減の四十三万円しか計上されていない。新刊の貸出冊数は全体の67%を占めており、減額の影響は大きい。

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いやあ、さすがにこれはひどいな。

ところでこの記事では図書購入費とあるけど、実際には新聞や雑誌も入るんだろうか?新聞ってうちでは月4000円だから、年に直すと48000円。これだと1紙だけだから、朝日・読売・毎日・日経に産経、それに地元紙を含めると5紙くらいか。まあ夕刊のない新聞もあるとして月の購読費が平均3500円だとして、これだけで21万円。残りはもう57万円。雑誌ったって、たとえば文藝春秋は定価710円、中央公論は800円、論座は780円、正論は680円。これだけで月に約3000円だから、年で36000円。週刊誌をいちいち計算するとめんどくさいので、週刊文春320円を標準に5冊購読するとして、週に1580円、月4週として6320円、年で75840円。これで残額は45万円ほどしか残らない。僕はあんまりよく知らないけど、加除式の法令集なんかに関わる料金も必要だろうし、純粋な図書以外にかかるお金もけっこうあるだろう。

ぶっちゃけ年45万なんて、僕が助手やってた頃の図書購入費よりも少ない。まあ買う本の種類が違うし当時はけっこう精力的に本を買ってたから、必ずしも一概に比較はできないけど、年45万なら月にすると3万7500円。2500円の本10冊だけで2万5000円、新書1冊1000円として10冊で1万円。あと残り2500円、単行本1冊だ。これくらいなら、普通の市民ならともかく文筆業系の人なら、個人でこのくらい使ってる人だってけっこういるんじゃないだろうか。数万人のための情報拠点として、あまりにもお粗末だ。

こう言っちゃ失礼かもしれないが、山陽小野田市に、そんなに大きな書店があるとも思えない。そんな中で図書館は新しい本に市民がアクセスできる重要な機会である可能性が高いのに、こんなわずかな予算しか付けないなんて、文化的な自殺行為に近いな。市民は情報や文化に触れる必要などなし、ということなんだろうか。