「しじんの村」

論文書きながら脇でテレビ付けてて、なんだかよくわかんないけど自殺志願者更正のための集団生活のドキュメントやってるなあと思いながら見てたんだけれど、ん?なんでタイトルが「放送禁止」なの?人が自殺しかけてるところにカメラが入って、なんで制止されないの?とか、いろいろ不審に思って調べてみたら、なんとこれフィクション。番組の終わり近くになって知った。ちょっとびっくり。しかも、過去にすでに4作も制作されているらしい。

「放送禁止」シリーズとして見たのがこの作品だけで、しかも途中からしか見ていないのできちんとした批評はできないけれど、企画としては確かに面白いなと思った。ただ、今回の作品を単体として見た時にはどうなんだろ?中身としては、"しじんの家"なるところに集っていたのが誰だったのかといった文脈もわからないので、最後に残されたテープの位置づけもどうとらえていいのかよくわかんないんだけれど、個人の嗜好の問題に帰している点、結末が少し安易かなあって気もした。

「ドキュメンタリーの手法」によって「実際の事実やデータ」の「積み重ね」でドラマを組み立てる*1んであれば、結末を個人の問題に帰すんじゃなくて、事実やデータの解釈であるところの社会の問題としてオチをつけた方が、よりドキュメンタリーの手法が浮かび上がってくるように思う。

*1:フジテレビの公式サイトhttp://www.fujitv.co.jp/b_hp/1014kinshi5/