学生街の定食屋。

こないだ書いたように、
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以前よく通っていた早稲田の定食屋さん「みづ乃」が、8月31日で閉店した。僕は最終日のお昼に最後の訪問。最後は、やっぱりこのお店の名物だった「いり卵ご飯」の定食をいただく。

店は最終日だけあってかなり混み合っていて、おじさんおばさんも忙しそう。ゆっくりと話をする感じではなかったんだけれど、それでも最後にこのご飯を食べることができてよかった。

ここはこの界隈の食堂としてはそれほどの知名度はなかったけれど、だからこその誠実な営みを続けてきたお店だった。おじさん・おばさんともに、この街と大学、そして集う学生をこよなく愛していたことが伝わってくる、そんなお店だった。一朝一夕には、こういうお店は生まれない。店と人とのつながり、それが多くの人々の記憶に留められるようになり、それがかつて過ごした学園や街の記憶と結びつけられることによって初めて、そのお店が街の記憶としても立ち現れてくる。そういう意味で、こういうお店の集合体である学生街というのは、一つの文化なんだろうと思う。

それがまた一つ消えていき、ファーストフードやチェーン店ばかりが増えていくことは、この街にとっても、この街の学生にとっても、そして、かつて学生であった人々にとっても、残念なことだと思う。