みづ乃閉店。

ひさびさに、最近ご無沙汰している「みづ乃」という定食屋さんへ。そしたら、なんと8月末で閉店とのこと。ショックを受ける。

ここに初めて行ったのは、大学に入ってまもない頃。もう15年は経ってるなあ。寮には食堂が無く、自炊するか外食か、という生活だった。最初の頃は自炊するための炊飯器も持っていなかったので、大学近くの定食屋さんにはよく通った。ここには、寮の先輩に連れられて初めて行った。やや高めの価格設定なので、当初はそんなに通っていなかったが、そのうちフライやカツなどの油ものに飽きて、家庭的な料理を出してくれるこの店によく通うようになった。

特によく通ってたのは、修士から博士課程にかけての頃だった。バイトが終わると図書館に行き、資格試験で勉強してる友人とここでご飯を食べ、また図書館に戻る、という生活。この頃は、とにかくいろんなことを調べるのが楽しくて、でも身分や生活が不安定で、という時期だった。その頃の僕の食生活を支えてくれてたのが、この食堂だったんだよなあ。あんな境遇でとにかく論文を書くことができたのは、この食堂と友人のお陰だったのかもしれない。それももう、7、8年前のこと。

その友人は資格試験に合格して大きな企業で働きはじめ、僕も博士課程に入り、ぼちぼちと論文書いたりしていくようになった。助手になってからは、勤務時間の都合であまり立ち寄れなくなって、さらに相方さんと一緒に暮らし始めたので、外食自体、以前ほどしなくなった。それで、ここしばらくはご無沙汰していた。

僕にとってはけっこう思い出深いお店なので、閉店してしまうのは寂しい。でも、跡を継ぐ人がいない以上、しょうがないのかもしれないな。そう言えば、昔同級生がバイトしてて、サークルの友だちとお昼によく通った「マーレ」というお店も、気づいたら閉店してた。「そぼろカレー」というメニューが僕のお気に入りだったんだけどな。こうやって、この街も少しづつ変わっていくのか。個人的な感傷かもしれないけれど、ただ、こういうお店が引き継がれないまま消えてって、チェーン店に置き換わってしまうのは、街の文化としても残念だなあ。

まだ閉店まで時間があるので、あと何度かは通うことにするつもり。