東武鉄道運転士の懲戒解雇問題。

ことの経緯はニュースサイトなどに譲るとして、大きく「解雇は厳しすぎ」「解雇されて当然」という二つの意見に分かれているようだ。

僕は率直な感想でいうと、やっぱりちょっと厳しすぎでは、と思った。

運転席に業務上関係のない者を立ち入らせないという規則そのものは当然だし、それを破った運転士が処罰されるということも然るべき処置だと思う。けれども、いきなり懲戒解雇するほどの事案なんだろうか?

解雇されて当然という意見の中には、運転席への立ち入りの是非のみで処分を適当=解雇は適当、と考えている人もいるようだ。けれども、ほとんどの人が、処分の必要性そのものは認識しているんじゃないだろうか。その上で、解雇という処分が妥当なのかどうか、ということが議論になっているのだと思う。

たとえば、もし内規が「運転士免許の剥奪と停職」となっていた時、東武の処分賛成派の人は「これでは処分が軽すぎる」となるのだろうか?おそらくそこまで言う人はごく少数であって、今回の処分に賛成の人でも、クビにしろ、とまでは言わないんじゃないだろうか。

規則は規則なんだから厳格に適用すべきだというのであれば、まだ理解できる。ただ、規則にいくら妥当性があったとしても、規則違反の処分内容までが妥当性をもつとは限らない。そして社員は処分の内容を自ら定めることはできないわけだから、処分内容の妥当性は社会一般の基準に照らしてということになろう。とするなら、やはりこれは処分として重すぎるのではないか、ということになるわけだ。