ちょっと

書くのをお休みしてた。研究会やらゼミやら、あとはお仕事やらでてんてこ舞い。ここに来て少し落ち着いて物事を処理できるようになった、かも。

水曜は、僕のすぐ下の後輩の、D論公開審査。質疑はなかなか興味深かった。その場で、僕はある人が言った印象に残った言葉があった。その言葉とは、次のような言葉だ。

研究史の整理は単なる学説の整理ではない

これは、必ずしも後輩に対して直接そういう風に指摘された言葉ではなく、一般論として話された言葉で、しかも言い回しは少しだけ変えてあるけれど、だいたいこういう言葉。これはすごく印象に残った。

つまり、これまでどのように研究が行われてきたのかをまとめる、ということは、単にこれまでの学説を整理すればいいということではなく、その研究を生み出した研究者個人や、あるいはその当時の社会状況にまで立ち至って考えていくべきだ、ということ。

僕も研究史をそういう方向に関連づけたいと思ったことはあったけれど、研究史そのものをそういう風に明快に定義されると、安易に研究の流れなどについて触れるのが怖くなるかもなあ。もちろん、そのくらいの覚悟を持って書け、ということなんだけど。