「下妻物語」

2004年、日。監督は中島哲也。主演は深田恭子土屋アンナ

これはおもしろかった。DVDレンタルも開始されたばかりだから、お正月に見るのにはおすすめ。とともに、突き抜けちゃってる二人のキャラを擁しながらも、ちゃんと破綻なく最後まで物語として構成されているところもよかった。たぶん画の持つテンポのおかげで、そういった面が気にならなくなってるってところはあるんだろうけれど。

深田恭子のロリータファッション(BABY, THE STARS SHINE BRIGHTっていうらしい)にしろ、土屋アンナの特攻服にしろ、それはある種、様式美を追求した末の姿。で、そういう様式が相互に理解しがたいまでに乖離したまま、お互いに無関心を貫きつつ併存している状況ってのは、80年代でも90年代でも、ましてや70年代でもなく、やっぱり21世紀の今なんだろうと思う。

だからこそ、本来関わり合うことのない二人の友情というドラマが成立するわけで、その辺は現代をうまく切り取ってるなあって感じた。

あと、これはネタバレだけれど、深田恭子の視点から物語が語られ、彼女の視点で世界が捉えられているにもかかわらず、一番のヤマ場ではロリータがヤンキーの世界にすーっと入っていってるところを違和感なく描いてるあたり、なかなかのものだと思った。

まあその話で付け加えるならば、最初の方、深田に状況を語らせているあたりは、ちょっと説明臭くってくどいかなって気がした。あの辺で、もう少し自然に映画の世界に入っていけたらもっとよかったのになあと思う。